コラム

【みずほ環境規制コンパス】 EU・PFAS規制、次の局面へ — 企業はどう動くべきか?

ドイツをはじめとするEU内5か国の規制当局が、PFASの製造・上市・使用(輸入を含む)を制限する包括的な規制案を欧州化学品庁(ECHA)に提出した2023年1月から2年半余りが経過した。当初のPFAS規制案(以下、当初版提案)では一定期間を経てPFASを全面的に規制する原則が示されていたが、産業界から強い反発を受けたことに加え、2024年の欧州議会選挙の結果、EUの政策が従来よりも産業重視に傾いたことを背景に、規制の内容が「現実的な路線」へと軌道修正されつつある。
後藤 嘉孝 / 堀 千珠
コラム

AI時代のライティングのあり方

生成AIはライティング分野に「知的生産のコストダウン」をもたらし、その結果「知識のコモディティ化」が進むのではないか。面倒な議事録の作成、小難しいレポートの要約、困ったビジネスメールの返信など、生成AIは驚くべき速さで私たちの生活に溶け込みつつあります。ほんの少し前には「こんなもの使えるか」と思っていたものが、今では十分使える水準に入ってきているのです。
ごりお
コラム

内部統制報告制度改訂後の内部統制報告書分析 -化学会社の内部統制報告書分析

皆さんは化学会社における内部統制報告書をご覧になったことはありますか。内部統制報告書は、2008年4月に導入された内部統制報告制度(通称J-SOX制度)に基づき、上場企業を対象に提出が義務付けられています。内部統制報告書の目的は、財務報告に係る内部統制の有効性を経営者自ら評価し、その結果を外部に向けて報告することにあります。
豊田 貴大
コラム

ミクロな世界を解き明かす 量子化学と暮らしのつながり

私たちの存在する世界には、数えきれないほどの「物質」が存在しています。化学は、その物質を形づくる原子や分子の構造や性質を明らかにする学問です。医薬品や洗剤、化学繊維なども、目には見えない物質の変化や、物質同士の化学反応といったミクロな世界の現象を研究し、開発されています。
石上 文
コラム

習さんとプーチンさんの「寿命150年談義」 夢物語とは言い切れなさそうだけど

2025年9月3日に、中国の習近平国家主席とロシアのプーチン大統領が北京で開かれた式典に出席した際、中継カメラが偶然拾った2人のやりとりが話題になりました。その内容は、不老に関するもの。今世紀中に人類は150歳まで生きられるようになるかもしれない、というのです。
清水 沙矢香(しみず さやか)
コラム

PwCの視点: 日本の機能性化学は素材立国の切り札となりうるか

日本の機能性化学産業は、世界市場の中で確かな存在感を放っている。経済産業省「素材産業の国際競争力強化に向けた産業政策」(2025年)によれば、日本は半導体や電子機器などの先端デバイス関連、輸送機器関連の材料などで世界シェア5割を超える分野を少なからず持っている。
松岡 慎一郎
コラム

長続きのコツは、あきらめること

趣味や運動、学習など、一念発起して挑戦したものの長続きしなかった経験は、誰にでもあるのではないでしょうか。三日坊主という言葉があるように、継続とは古くから難しい営みのようです。ちなみに三日坊主は仏教関連の用語で、悟りを目指して仏門に入ったものの、修行の厳しさに耐え切れず、三日で辞めてしまう僧に由来するようです。
ごりお
コラム

CO₂は敵か味方か 「減らす」から「活かす」時代へ

CO₂と聞くと、気候変動を引き起こす「元凶」「悪者」というイメージが強いかもしれません。しかし本来、CO₂は自然界に普遍的に存在する気体であり、むしろ生物が生きていくために欠かせない存在です。自然の循環のなかに当たり前に存在するCO₂は、人間活動によって急速に増加しました。その結果、吸収と排出のバランスが崩れ、地球の熱を閉じ込める温室効果が強まり、地球温暖化が進行しています。
石上 文
コラム

化学産業の会計処理の特徴

化学産業には上流事業と下流事業があり、会計処理の特徴も若干異なります。上流事業とは、化学製品がさまざまな生産工程を経て最終製品となる流れの中で、次工程における材料となるような「基礎化学品」を取り扱う事業を指します。特に無機化学工業製品や有機化学工業製品のうち、石油化学製品などにおけるエチレン、プロピレン、ベンゼンなどの基礎化学品が代表的な上流製品です。
大貫 一紀
コラム

PwCの視点: 見えざる価値の覚醒~今、日本の化学産業は再評価の好機を迎えている

日本の化学産業は、自動車や電機と並んで長年にわたり日本の製造業を支えてきた中核的な存在である。付加価値額で見れば製造業全体の約11%を占め*1、自動車産業に次ぐ規模を誇る。産業における役割としても素材から機能材、電子材料、医薬品中間体まで、幅広い産業に不可欠な「横串機能」を果たしており、自動車やエレクトロニクスと並ぶ日本の技術競争力を支えている。また、東京証券取引所には2024年時点で約200社の化学関連企業が上場しており、素材系企業としては圧倒的な存在感を示す。
小堺 亜木奈
コラム

次世代のEV改革を担う全固体電池 材料開発バトルも狂想曲の様相

EV(電気自動車)界の「ゲームチェンジャー」として注目される全固体電池の開発競争がいよいよ熱を帯びてきました。EVやPHVの性能を飛躍的に高めるものとして2023年にトヨタ自動車が世界に先駆け全固体電池の実用化を発表して以降、特に中国勢の猛追が始まり量産体制の早期化を競っています。材料開発も同様です。
清水 沙矢香(しみず さやか)
コラム

有価証券報告書に添付されている監査報告書を読んだことはありますか?-化学会社のKAM分析

KAM(Key Audit Matters)とは、監査上の主要な検討事項のことで、当年度の財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項になります。また、KAMの報告の目的は、実施された監査に関する透明性を高めることにより、監査報告書の情報伝達手段としての価値を向上させることにあります。
中里 広光