コラム

PwCの視点: 日本の化学産業は次の成長をつかめる――財務×技術×市場で見極める日本の化学業界の勝ち筋――

脱炭素とデジタル化の進展により、半導体、医療、インフラ、水資源といった領域では素材技術の重要性がこれまで以上に高まっている。化学企業にとってはむしろ追い風だが、全ての領域に投資を続けることは現実的ではない。だからこそ、財務×技術×市場で領域を選び抜く“選択力”が競争力の源泉になる。以下では、この3軸に基づき、特に勝ち筋が明確な5つの成長領域を例示的に提案する。
野里 高志
コラム

分子レベルで見えてきた 私たちの「眠気」の正体とは

「春眠暁を覚えず」という言葉がありますが、季節を問わず、日中の眠気に悩まされているという方も少なくないのではないでしょうか。筆者も例外ではなく、お昼を食べた後についうとうとしてしまったり、読書をしているうちに気がつけば眠ってしまったりと、どうしても抗えない眠気と日々向き合っています。
石上 文
コラム

体の内に病院を設置する? 「ナノマシン」が切り拓く医療の未来

病気になった時、定期的に通院するのはなかなか面倒なものです。待ち時間、検査、説明や処置、薬待ち。時によっては1日仕事になることもあります。では、体の中に病院機能が埋め込まれており、24時間自動で体内をパトロールし、異変をいち早く見つけて投薬までしてくれたら?そんなSFのような技術の開発が現実世界で進んでいます。
清水 沙矢香(しみず さやか)
コラム

なぜ化学業界のDXは現場で止まるのか

2026年、Bluetoothに新たな規格が追加される見込みです。注目の一つが、いわゆる「ハイレゾ標準規格」。家電量販店などで、ハイレゾ対応のイヤホンやスピーカーを見かけたことがあるのではないでしょうか。ハイレゾはハイレゾリューションの略で、高解像度を意味します。では、音の解像度が高いとはどういうことか。
ごりお
コラム

国際会計基準(IFRS)で変わる経営管理 ~化学業界の適用状況と押さえておきたいポイント~

国際会計基準(以下、「IFRS」という)は現在、150 以上の国・地域で採用されています。 我が国においても、IFRS 任意適用企業は 290 社を超えており、今後も着実に増加していくことが予想されています。 本稿では、適用が拡大しているI...
始澤 謙太郎
コラム

その素敵な口紅の色はどこから? 不思議な「色の化学」の世界

口紅やチーク、アイシャドウなどの化粧品の魅力の一つは、身につけるだけで気分を明るくしてくれる「きれいな色」にあります。化粧品に限らず、洋服や日用品、お菓子、街にあふれる建物や看板にいたるまで、私たちは色とりどりの世界の中で暮らしています。では、こうした色は一体どのようにして生み出されているのでしょうか。
石上 文
コラム

PwCの視点: 日本の化学産業は世界を再びリードできる―財務×技術×市場を統合する「次世代ポートフォリオ経営」へ―

化学産業は、世界でも類を見ない複雑な構造を持つ。装置産業としての規模メリットと、技術産業としての独自性が併存するため、事業価値が外部に見えにくい。企業の中には、ナフサクラッカーのような設備集約型の基礎化学事業と、電子材料・医療材料のような高付加価値の技術集約型事業が混在し、収益構造・投資回収期間・競争力の源泉が全く異なる。
下澤 善之輔
コラム

燃料、食料、薬物…「炭素」が動かしてきた人類の文明

地球には様々な物質が存在しますが、そこに命を宿す植物や動物に欠かせない元素があります。時には宝石、時には私たちに欠かせない栄養源、燃料、時には強靭な化学繊維。そんな変幻自在な物質が、原子番号6番に位置する「炭素(C)」とその化合物です。炭素や炭素化合物はわたしたちの体を構成する大切な物質であり、プラスチックなどの形で身の回りに溢れているように見えます。
清水 沙矢香(しみず さやか)
コラム

PwCの視点:石油化学再編時代に求められるサステナビリティ経営

進展する石油化学業界の再編 日本の石油化学業界の再編(以後、石化再編と略す)が急ピッチで進展している。国内需要縮小への対応や国際競争力の強化のみならず、経済安全保障の観点からの国内供給力確保、環境規制対応や脱炭素の推進など、多様で複雑な背景...
中島 崇文
コラム

グリーンケミカルはサグラダ・ファミリアになり得るか

明けましておめでとうございます。2026年の幕が開けました。スポーツ界に目を向ければ、イタリアでの冬季オリンピック、そして北米3カ国共同開催となるFIFAワールドカップが控えています。一方で政治経済においては、秋に米国中間選挙も予定されており、浮かれてばかりはいられない一年となりそうです。
ごりお
コラム

【みずほ環境規制コンパス】 プラスチック条約 INC-5.2合意ならず:「法的拘束力」はどこまで及ぶのかー企業が備えるべきことはー

 国際的にプラスチックの環境への放出・漏洩が問題視されるようになって久しい。年間4億トンを超える生産量がある一方で、リサイクル率は9%と低い水準である1。埋立・投棄されたプラスチックが増えるに伴い、人々の健康や生態系へ及ぼす影響を懸念する声が広がっている。
森 涼子
コラム

小惑星リュウグウで見つかった有機物 その化学組成に隠された宇宙の記憶

「私たち生命のルーツは、地球の外にあるのかもしれない」その謎に迫るため、日本発の小惑星探査機である「はやぶさ2」がはるか遠い宇宙へと送り出されました。そして、2020年12月、はやぶさ2は約7年間の長い旅路の末に、小惑星リュウグウからサンプルを採取し、地球に持ち帰ることに成功しました。わずか数グラムの小さな粒子には、太陽系誕生の歴史を紐解く化学情報がぎっしりと詰まっています。
石上 文